パソコンの生産革命:PC-98BTO-事始め(第2章ー3)ーBTO生産方式開始

国内初のBTO方式による本格生産開始

コマーシャル系のBTOが1997年10月から始まることになりました。セルライン生産に切り替えが概ね終わっていました。しかし、生産現場からは新製品の立ち上げと新方式のBTOに当初戸惑いと心配の声が上がってきました。
①従来からコマーシャル系はもともとモデル数が多いのにBTO化に伴いモデル10倍以上に増加

②営業部門も新たな試みなので受注枠を広げて対応を要求、結果納期集中があるのではと疑心暗鬼

お客様直販方式のDeleとは販売方式自体が違うのでBTOにしたからと言って工場の理想の姿の平準化生産が簡単に実現できるとは思っていませんでしたが、販売枠と納期回答即答という仕組みによって売れに合わせて生産(組み立て)する姿に近づけると考え、このプロジェクトに工場側として全力を挙げて取り込もうと皆に訴えました。またセルライン方式はBTO実現にピッタリと強調したものです。

現場の班長、情報システム部門、生産技術部門のメンバーが昼間の生産が終わったセルラインの傍らで何回も話し合いました。

その結果、立ち上げ時は共通度が高いシャーシ、マザーボード、電源などからなるベースユニットというくくりをつくり、この種類が少ないベースユニットを先行生産し対応することにしました。そして受注が入ってからベースユニットにお客様ごとに仕様が違う、ハードディスク、メモリボード、CPU,ソフトなどを組み込むという、いわば2段階にわけた生産方式にしたわけです。作業が単純化され、部材配膳も単純化され何百種類というモデル数にも対応可能となるわけです。

また工場近傍の部品センターを設け部材メーカーに開放し、工場との間で日々かんばんで部材を納入するする方式もスタートさせました。

   

そして、10月に販売系から工場までのリスク分散を兼ね、先ずはNEC群馬のデスクトップパソコン新製品からBTOに切り換えることに決まりました。MATE-NXのBTO方式での生産が無事スタートしました。

即ち、パソコンという量販製品でありながら販売と合意した生産計画に合わせて見込み生産するのではなく、実際の注文オーダをトリガーに組み立て開始するという新しい仕組みがデスクトップパソコンからスタートしました。事業部時代からの念願が叶ったと感じた一瞬でした。

ただITで武装したセルラインという形にはまだ遠く、受注した商品名のバーコードと主要構成をプリントした用紙をシステムから打ち出し、1台ごとに添付し、セルを移動させ各工程でバーコードを読み取り部材配膳や検査工程で活用することだけが実現したレベルでした。

この仕組みを完成させて行くことは「多種変量生産」実現のカギとなり、工場の海外移転の動きがはじまるなかコンフィグーションは消費地に残る武器になると考え「ITで武装化したセルライン」へ向かって引き続き改善活動に邁進しました。

1997年12月にはNXシリーズ出荷開始とコマーシャル系のデスクトップパソコンのBTO方式の開始に伴い、報道陣にNEC群馬工場をみて頂きました

参考:1998.1.1 The  Business Computer NewsにNEC群馬工場の様子が掲載された

                                              

 

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