パソコンの生産革命:PC-98BTO事始め(第2章-4)ー変種変量生産 

全ラインBTO化 2000年春 量産工場卒業

NECではより一層SCM(サプライチェーンマネージメント)改革という観点から販売から生産現場までの見直しを継続しており、生産現場もBTO方式の販売の仕組み拡大に対応すべく「ITで武装したセルライン」実現活動を継続していきました。
1997年10月コマーシャル系のパソコンのBTO開始後2年強の間に生産現場は以下のように変化させました。

①ベースユニット化の推進
パソコンの本体を共通度の高いベースユニット(シャーシにマザーボードや電源組付けカバーも仮取り付けされた塊)と注文に合わせて組み合わせるキーパーツに分けた2段階生産方式にしたことは2章―2で触れましがやがてベースユニットは半分以上海外の委託生産会社からの調達と急速に切りかわっていきました。ある意味では国内工場の部材の流れが単純化されたことになります。

尚、マザーボード生産は群馬工場では4割近くは国内生産を続けていました。

②パソコン組み立てセルラインへの部材配膳
装置組み立ての肝は部材配膳ですが、バーコード方式の採用により、熟練度や日本語能力に左右されないでも部材を取り揃えることができる方式を開発しました。バーコード方式の活用で部材配膳を日本語が読めない外国人作業員でも容易にできるように、使用する部材を表示ランプで示し、ランプのついてる棚の部材をとって組み立てる方法です。

この部材配膳方式はBTO生産開始後まもなく完成し、販売サイドのBTO拡大の動きの受け皿となりました。

生産革新活動がややもすると熟練作業者の能力を目いっぱい引き出すことにのみ揃える目が行きがちの中、外国人作業者のウエートが高い地域の生産現場の実情を意識して考え出したこの部材配膳方式は結果としてセル生産と相性がいいやりかたでした。この時点でのセルラインは6人編成でした。

③部品メーカーとのかんばん方式拡大
部品単価の高いキーパーツ(ハードディスク、DVD,メモリ、など)は工場内に設置したパーツセンターをいわゆるVMI(Vender Management Inventory)倉庫としてここからラインからの引っ張り情報(かんばん)に基づき多頻度払い出しを行い、そこを検収ポイントにしました。これにより以前からの地場メーカーの部材共々かんばんが適用され、組み立てラインを含めた部材物流が完成しました。

③ネットワーク化
パソコンに種々のソフトをインストール(組み込み)ますがこれもネットワーク化され、自動でサーバーからダウンロードされ、検査工程も自動化されていき、梱包出荷まで一つの番号をキーに管理され工場内ネットワークに接続され制御され、一台流しが可能な「ITで武装化したセルライン」が完成しました。

コンベアライン、ロボットラインの撤去
この段階で長らく活躍してきたロボットによる組み立てラインの撤去を行い、工場内のラインは全てBTO対応の「ITで武装したセルライン」に置換わりました。多品種変量生産の体制が整ったわけです。以後のパソコン生産の原型が完成です。

2000年5月に日経産業新聞社から取材を受け、「量産工場卒業」という見出しで取り上げられました

(2000年5月25日付)。

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