伝説のパソコン:98FELLOW物語(8)ー納期の壁を破る!

納期の壁を破る!


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年10月末に「98FELLOW疾風開発プロジェクト」を立ち上げ、全員がミッションを共有してベクトルを合わせる「キック・オフ会議」を済ませると、NEC新潟工場は急に熱気を帯びてきました。

まず、最大の壁は開発リードタイム2ヶ月の壁です。 図1に当時の標準の開発線表と98FELLOWで設定した開発線表の比較を示します。

98FELLOWの開発リードタイム


スタート(S)から1.5Wで回路設計完(D)、5Wで量産先行機組み立て完(PP)、そこから各種評価や互換評価をして9W目に量産製造の移管可否を判定(MP1)し、5万台の作り溜めを行い11W目に量販店向け先行出荷、12W目に発表・出荷開始(MPF、93.1.17)という、
標準の開発リードタイムに比べ半分以下の無謀とも思える開発線表で突っ走るしかありませんでした。

窮すれば通ずるの例え、そこで打った手は次のようなものでした。


1.見切り発車:設計完了を待たず、見切り手配を繰り返す。 IC,LSIなど部品をかき集めるのが最優先です。 特に調達リードタイムの長い部品(水晶振動子、電源盤、新規のLSIなど)は仮仕様で即刻手配する。
設計が進み、追加・変更となった部品はデイリーで資材部に依頼する。余剰部品を買い込むことも覚悟の上でした。
また、生産技術へもマザーボードの製造治具や自動検査機などの設備開発の見切りスタートを依頼しました。

 

2.小刻みな手配:部品の手配量を小刻みにして繰り返し、設計進捗とオーバーラップさせ、変更をデイリーベースで手配に迅速に反映させる。
変更による余剰部品の削減効果にもなった。 この小刻みな改版と手配の繰り返しは量産機まで続くことになります。

3.フロント・コンカレント:初期にバグ出しするために、バラック機(現行9801に新規LSI搭載のバラックボードを改造で接続して組み立てたマシン)で設計ミスを早期に発見し、回路変更や手配変更にデイリーで反映する。
さらに、このバラック機をソフト(OS)部隊やT&D(試験診断プログラム)、BIOSチームにも支給してコンカレント開発を一斉に始められるようにする。

4.早い味見評価:環境性評価(温度や静電気,ACノイズ耐力、VCCI など)の評価のためには、PCケース(シャーシ)がないとできません。 この環境性耐力を早く味見するために、ベースフレーム板金シャーシを正規の開発とは別にNC加工で特急に作った。

残るは、ボトルネック工程の開発期間を如何に短縮するかです。

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