パソコンの生産革命:PC-98BTOの事始め(第1章-5)ーPC-98BTOを継続強化

PC98BTO導入の目的はNECのパソコン事業の生き残りのために、生産コストと流通チャネルの鮮度ロスを徹底的に削減しコスト競争力を大幅に高めることが必須だったからです。

BTO1.0をブラッシュアップしBTO1.5を1998年5月から開始しました。
鮮度ロスの削減効果は確かに数字として出てきましたが、まだまだBTOの適用モデル範囲が100%ではなく、販売店様や営業部隊から使いづらいという問題が残っていました。

そこで、1998年10月から「BTO2.0」としてさらに強化して開始しました。

PC98-BTOの発展経緯3

主な改善・強化ポイントは次の通りです。

・BTOの適用範囲を拡大しさらに鮮度ロス削減効果を狙う

・NECの多様な販売チャネルにBTO注文方式をさらに広げるために注文商品を簡単に選べるように「フリーセレクション(構成選択)方式を導入

・販売店・営業部隊へWeb情報サービス開始
納期回答/注文残情報(回答るぱん)、構成選択シュミレーション(解決BTO)

・大企業向けに初のWeb受注サービス開始

上記のように当時としては先進的なネット経由の多様な販売チャネルに適したWeb受注/情報サービスを構築し運用を開始しました。

BTO対象モデルをさらに拡大し、複雑な販売チャンネルにも使いやすいシステムを提供することで、BTOの信用度を上げ、販売店にBTOの有用性を実感していただくのが狙いでした。

 

BTO2.0の成果と課題

NEC生産部隊でもBTO対象モデルの拡大や日々の受注変動対応力を高めるため、需給予測精度の向上、BTOセル生産ラインの増強、受注変動対応のセル生産ラインのワーカーの日々のダイナミックなワーカー割り当てなどのBTO生産方式の洗練化を継続しました。

これにより多くのBTO生産方式のノウハウが蓄積され、自信を深めるとともに、コマーシャル(企業)市場限定だったBTOをコンシューマー(個人)市場にも適用できる素地ができました。

棚卸保有日数(在庫回転日数)と鮮度ロス費用もさらに成果がでてきました。

         1998年上期    1998年下期
・棚卸保有日数   29日        26日
 (在庫回転日数)(12.6回転)   (14.0回転)

・鮮度ロス費用 前年同期比:0.54  前年同期比:0.77

次なる課題は、納入リードタイム(受注~納入の日数):5~7日はまだ長く、販売店さんに在庫レスで販売していただくためにはさらに納入リードタイムの短縮が必要でした。
納入リードタイムが短くなれば棚卸保有日数(在庫回転日数)はさらに縮減が可能になります。

もう1つの難しい課題は、BTOをコンシューマー(個人)市場にも広げることでした。
コンシューマー(個人)市場の販売店は「在庫ありき」の商売が通常でした。個人ユーザーが店頭でパソコンを見て気に入って購入を決めても在庫がなく1週間以上待っていただくのでは話になりません。

また、コンシューマー(個人)市場の販売店は大小販売店が全国各地に多数ありBTO方式に切り替えるのは簡単ではありません。
生産においても、当時のNECのパソコンの販売台数の約5割はコンシューマー(個人)市場向けでしたから、BTO生産能力も一気に倍増させる必要があります。

次のBTOステップ3.0としてこれらの課題に取り組みました。

 

(参考)
・鮮度ロスとは?ーNECの複雑な流通チャネルと鮮度ロス

 

 

    <前の記事へ   |  記事一覧:PC-98BTOの事始め  |   次の記事へ>

 

Follow me!

パソコンの生産革命:PC-98BTOの事始め(第1章-5)ーPC-98BTOを継続強化” に対して2件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です